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日々の仕事に必要な調べ物の結果や個人的見解を備忘録的に書いておくと他の人に役立つこともあるかも、くらいのノリで。対象範囲は人口構造、社会保障費、都市計画、行政運営、地方自治あたりになろうかと。

新しいことを考えるための生活習慣、的な話。/J.W.ヤング「アイデアの作り方」

 

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

  1940年にアメリカで初版が出た後、61年に日本語版が出て、以後、まえがきや解説は変更されつつも、本文は変わっていない、という本。

 元々、広告代理店のスタッフが新しいキャッチコピーを考えるための本、というか、広告とはスペースを売るのではなく、アイディアを売るのだ、という思想に立った本ですが、別に、広告業界以外のいろんな分野でも、基本は同じことだと思う。

 

 冒頭、筆者は2:8の法則のパレートを援用して、アイディアを出せる人間と、出せない人間の2タイプについて考察する。

 パレートはスペキュラトゥールと、ランチエという2タイプ、つまり、Speculative、投機的・思索的な人と、株主の2タイプに分けられるのだという。

 

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 スペキュラトゥールは、「新しい組み合わせの可能性につねに夢中になっている」という特徴を持ち、「もうこの辺で十分だとうち切ることができないで、どうすればまだこれを変革しうるかと思索する」人たちだという。

 一方、ランチエは「型にはまった、着実にものごとをやる、想像力に乏しい、保守的な人間」だという。

 

 ヤングは、スペキュラトゥールが新しいアイディアを生み出す人には不可欠な才能だとした上で、それは稀有な才能ではない、という。

 「神の申し子である人間がすべて翼を持っているわけではないにしろ、諸君のすべてがその翼をもつ人間の一人でありたいと望みうる程度には多くの人々がこの翼を持っているわけである。」

 

 以下、ヤングは本書を通じて、アイディアを作ることに興味を持った時点で、その才能には可能性があり、訓練を通じて、それは高められる、として、具体的な方法論を説明していく。

 

 …のだけど、自分は明らかに、スペキュラトゥール側なので、「うん、それ、普通にやってる」という内容でした。

 もちろん、「もうこの辺で十分だとうち切ることができない」人間なので、その方法論をより精緻で効率よく進めるために、得るものはありましたが。

 

 で、この本、先週末には読み終わっていて、アイディアを作り出す人間と、保守的な人間という2タイプの分け方は、その前の週のエントリ、あるいはそのまた前のエントリにも関連して面白いなー、と思いつつも、わざわざ新規にエントリ起こすほどでもないか、と思っていたんですね。

 ところが、この1週間、ちょっとバタバタといろんなことが起きて、そのときに、この本を読んで2つのタイプの在り方を考えていたことが、判断の重要な指針となったんで、次回への伏線として、一応、残しておきました。

 

 ま、激動の一週間について書く前に、もう1個書くかもしれないですが。