【都市工学】久繁 哲之介「都市にサード・プレイスを創る」を読んでいるんだが、なんでテニスコートなのか?
午前中に続き、(財)民間都市開発推進機構 都市研究センターの「Urban Study」今度は、Vol.46(2007/05)を読んでます。
本号では、全編を久繁哲之介による研究リポート「都市にサード・プレイスを創る」に当てています。久繁氏については、この辺を当たり始める前から、「地域再生の罠」という新書を知っていて(買ってはいるけど、積みっぱなしで未読)、ちょっと期待して読み始めたところ。
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)
- 作者: 久繁哲之介
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/07/07
- メディア: 新書
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ちなみに「サードプレイス」の考え方は、スターバックスの成功で日本でもすっかり有名になった感がありますが、同リポートでは提唱者、レイ・オールデンバーグの言葉を引いて、以下のように説明しています。
都市には……略……居心地の良い三番目の場所「サード・プレイス」が必要であり、「サード・プレイス」の在り方が都市の魅力を大きく左右する。生活上欠かせない「二つの居場所」とは、ファスト・プレイス(第一の居場所)である家、セカンド・プレイス(第二の居場所)である職場や学校である。「二つの居場所」の重要性は、全ての国・都市で十分に認識されており、整備も進んでいる。……略……フランスやイタリアの「カフェ」、イギリスの「パブ」は西欧の「サード・プレイス」の代表事例である。……略……“ゆとり、活気、コミュニティ”があり、市民の多くがそこを「憩いと交流の場」、即ち「サード・プレイス」として毎日のように利用している。
しかし、サマリーさらっと読んで、サードプレイスとしてのテニスコートの可能性を指摘しているのが、「なんでやねん」という気分満載だったところ、単なる一事例として挙げてるのかと思ったら、現在、第2章を読み終わって、結構がっつりテニスコート推しっぽい感じが否めず、しかも、なんでテニスなのかの理由もイマイチよく伝わらず、正直、この先の展開がやや不安である…。
ただ、テニスかどうかはともかく、サードプレイスとしてのスポーツ施設のあり方を考える、という点は、大変、意義深いと思います。
あくまで、サードプレイスなので、見知らぬ他人同士のゆるやかな交流が生まれる、という点で、確かに現在の公共スポーツ施設は、特定の団体だけに閉ざされている感じはします。
ボウリング、ゴルフ、ゲートボールとかは、かなり近いものがあるのでしょうが、残念ながらボウリング場の全盛期を知らない世代だし、ゴルフ、ゲートボールについては、本リポートでも指摘のあるとおり、多くの人間が自由に出入りできる交流空間としての機能は、弱かったのかも知れません。今は自分が子どもの頃に抱いていた印象に比べると、競技人口自体、頭打ちなのでは、という気もします。
でも、だからと言って、テニス…なのか…?
続きは、また読み進めて書いていきます。「地域再生の罠」の方も、なるべく早く読もうと思ってます。