aemdeko

日々の仕事に必要な調べ物の結果や個人的見解を備忘録的に書いておくと他の人に役立つこともあるかも、くらいのノリで。対象範囲は人口構造、社会保障費、都市計画、行政運営、地方自治あたりになろうかと。

【都市工学】久繁 哲之介「都市にサード・プレイスを創る」を読んでいるんだが、なんでテニスコートなのか?

 午前中に続き、(財)民間都市開発推進機構 都市研究センターの「Urban Study」今度は、Vol.46(2007/05)を読んでます。

 本号では、全編を久繁哲之介による研究リポート「都市にサード・プレイスを創る」に当てています。久繁氏については、この辺を当たり始める前から、「地域再生の罠」という新書を知っていて(買ってはいるけど、積みっぱなしで未読)、ちょっと期待して読み始めたところ。

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

 

 ちなみに「サードプレイス」の考え方は、スターバックスの成功で日本でもすっかり有名になった感がありますが、同リポートでは提唱者、レイ・オールデンバーグの言葉を引いて、以下のように説明しています。

 都市には……略……居心地の良い三番目の場所「サード・プレイス」が必要であり、「サード・プレイス」の在り方が都市の魅力を大きく左右する。生活上欠かせない「二つの居場所」とは、ファスト・プレイス(第一の居場所)である家、セカンド・プレイス(第二の居場所)である職場や学校である。「二つの居場所」の重要性は、全ての国・都市で十分に認識されており、整備も進んでいる。……略……フランスやイタリアの「カフェ」、イギリスの「パブ」は西欧の「サード・プレイス」の代表事例である。……略……“ゆとり、活気、コミュニティ”があり、市民の多くがそこを「憩いと交流の場」、即ち「サード・プレイス」として毎日のように利用している。

 しかし、サマリーさらっと読んで、サードプレイスとしてのテニスコートの可能性を指摘しているのが、「なんでやねん」という気分満載だったところ、単なる一事例として挙げてるのかと思ったら、現在、第2章を読み終わって、結構がっつりテニスコート推しっぽい感じが否めず、しかも、なんでテニスなのかの理由もイマイチよく伝わらず、正直、この先の展開がやや不安である…。

 

 ただ、テニスかどうかはともかく、サードプレイスとしてのスポーツ施設のあり方を考える、という点は、大変、意義深いと思います。

 あくまで、サードプレイスなので、見知らぬ他人同士のゆるやかな交流が生まれる、という点で、確かに現在の公共スポーツ施設は、特定の団体だけに閉ざされている感じはします。

 ボウリング、ゴルフ、ゲートボールとかは、かなり近いものがあるのでしょうが、残念ながらボウリング場の全盛期を知らない世代だし、ゴルフ、ゲートボールについては、本リポートでも指摘のあるとおり、多くの人間が自由に出入りできる交流空間としての機能は、弱かったのかも知れません。今は自分が子どもの頃に抱いていた印象に比べると、競技人口自体、頭打ちなのでは、という気もします。

 でも、だからと言って、テニス…なのか…?

 続きは、また読み進めて書いていきます。「地域再生の罠」の方も、なるべく早く読もうと思ってます。