タイトルはブラフかなー/「日本の町工場は農業になる」 シリコンバレーに26年、製造業に携わる経営者が語る、日本の危機と可能性
ちょっとネットで数日前にバズってた記事。
感想は大きく3点あって、1つめは前段の日本のエレクトロニクス企業の衰退について、いわゆる日本の大企業病として、いろんな組織に通じる話だと思った。
前の職場とかね。
と言うか、日本のエレクトロニクス系大企業なんて、ウチの大学とか東大、京大出てるような優秀な人たちが大挙して在籍していて、戦略コンサルとかにも金払って、でも、従来の価値観に縛られて新しいことをやるべきときに、やれてこなかったのに、あれだけレベルが低く、論理的判断もまともにできない人たちを揃えたあの職場で、新陳代謝なんかできるんだろうか、という。
あるいは、逆に、そういう職場だからこそ、真っ当な刷新なんか、到底、できるはずもなく、ヘタに賭けに出るよりも、ただ自然に任せて沈没するのを待つしかないのかも、とも思った。
2つめと3つめは、関連していて、ちょっと言い過ぎ、と言うか、脅しすぎで、そう簡単に自動車産業は潰れないだろう、というもの。
特に、自動車は家電とかと違って、生命に密接に結びつく機械なので、それなりに規制も厳しく、新規参入の障壁は高い。
とは言え、文中に出てくる携帯電話市場と同様、だからこそ、日本企業が国内市場に慢心している間に、世界のスタンダードを取りこぼして気が付いたら後戻りできなくなっている危険性は、ある。
で、3つめは、だからと言って、部品加工系企業は即、海外に打って出るべきか、というと、語学の問題、スタッフ確保の問題、商習慣の問題、要求される合理的問題解決力のレベル差、とかを乗り越えていくコストを考えると、まだまだ国内でやっててもいいんじゃないか、という気はする。
自動車関連産業が縮小するとしても、国内異業種に解を求める方法もあると思う。
確実なのは、ティア1、ティア2みたいな階層があって、上から流れてくる仕事をこなしておけば何とかなる、という時代ではなくなるのだろうし、そうなると世の中全体がどう動いているのか、そのとき自社に仕事を発注している大元の企業は、どういう視点、戦略でどう動きそうか、自分たちはそこに追随するのか、比重を下げて新しい分野に打って出るべきか、という観察と分析は、しておく必要があるんだろうな、とは思った。
あと、タイトルの「製造業は農業になる」ってのも、どういう意味かと思って読んでたんだけど、補助金漬けで何もできない、つうのも言い過ぎかな、と。
多分、どちらも見た目上、モノを作るのだけど、ただモノ売りとは違う視点で経営を考えて新しい価値を生み出していく必要がある、という意味では同じ立場になるだろう、とは思うけど。