aemdeko

日々の仕事に必要な調べ物の結果や個人的見解を備忘録的に書いておくと他の人に役立つこともあるかも、くらいのノリで。対象範囲は人口構造、社会保障費、都市計画、行政運営、地方自治あたりになろうかと。

ほんこれ/TEDアンジェラ・リー・ダックワース「成功のカギは、やり抜く力」

ほんこれ。


アンジェラ・リー・ダックワース 「成功のカギは、やり抜く力」 | Talk Video | TED.com

 

動画は、YouTubeの方が安定するみたいです。字幕ないけど。


Angela Lee Duckworth: The key to success? Grit - YouTube

 

日本語書き起こしは、こちら。


成功者が共通して持つ「グリット」という能力--才能でも、努力でもない第3の要素とは? | ログミー[o_O]

 

「Grit」は、歯ぁ食いしばってやりきる意志、みたいな意味ですかね。

 

 地方の公立小中学校を出た身としては、周りの勉強できない子たちの中で、知的障害スレスレの物覚えの悪い子たちとは別に、本当に勉強やるのが嫌になってて、まるでやる気がない、という連中は何人も見てきたので、実感はある。

 というか、自分も体育の授業なんか、どうせやったところで、長距離走以外、全部の種目で学年最下位だし、どうでもいいと思っていた。

 

 日本の学校教育って、平均的な(そして最大の)集団に対して、頑張れば、何とかなるよ、と教えるのだけど、頑張っても結果が出そうもない連中に対して、それでもやらないよりはやった方が絶対にいいし、長期的には結果が出るかもしれないことを、やるように動機づける仕組みは、全然、欠けているんだと思う。

 

 社会に出てからも、戦争に負けた後、世の中が右肩上がりの時代には、誰でも何がしかの達成感を得られたのかもしれないけれど、これからの、ある程度、豊かになって成熟した社会の中では、ちょっとした努力とちょっとした成功みたいな、短いサイクルでの目に見える達成感をモチベーションにしていくことは、多分、誰にとっても難しいことで、どうやってモチベーションを高めていくか、というのは、本当に大きい問題なんだと思う。

 イケハヤ師みたいに、モチベーション低くていーじゃん、みたいな、末期帝政ローマかよって言説も流布しはじめているし(言ってる本人は、ああいうポジションを作り出すことをモチベーションにできているんだろうけど)。

 

 もちろん、成功するためには、生まれや育ちや、持って生まれた才能や偶然ではなく、何よりも、本人のやり続ける意思が重要なんだ、という主張は、非常にアメリカ的だと思う部分もあって、それが裏返すと、成功していない連中は努力をしてないんだ、という弱者の切り捨てにつながることもある、と思う。

 自分は、浄土真宗の門徒なので、ある程度、大きな枠組みには逆らえない、と思っているし、それこそ、前述のとおり、体育の授業はすっかり取り組む意欲をなくして、毎回、体調不良で見学にしたい、くらいの勢いだったので。

 

 ただ、それでも、社会の中で、問題を見定め、それを解いて成功していくのに本当に必要なことは、諦めずに続けることだ、というのは、その考え方自体が、人に勇気を与えるものだし、実際、個人の能力の差よりも、継続が結果につながる、という部分もあると思う。

 たとえば、全盛期のイチローが、打率4割近く打っていたときに、それでも、10回打席に立って6回は失敗している、という趣旨の発言をしていた。

 人の能力は、だいたい、そのようなものだ、と思う。人よりIQが高くて、大した苦労せずに中学校の試験をこなしてきた自分でも、世の中には分からないことばかりで、結局、どれだけヒットを打てるかは、打率を上げることと同時に、打席に立つ回数を増やすこと、打席に立ち続けることが大事なんだろう、と思う。