【雑文】鼻でスパゲッティを食べざるを得ない本/川上 和人「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」
何年か前に、ドラえもんの声優が代わった直後だったか、長編映画第1作の「のび太の恐竜」がリメイクされて
「いや、ピー助はフタバスズキリュウ(フタバサウルス・スズキイ)だから、首長竜で恐竜じゃねぇし」
などと思ったものである。
さらに、その後、フタバスズキリュウをはじめとする首長竜類では胎生の可能性がでてきて、タイム風呂敷で卵の化石を復元したのび太、涙目。
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※なお、筆者は、長編の元になった連載版を単行本で読んだだけで、長編版はコミックも映画2本も見たことない。
さて、そういう話を聞いて、
「ですよねー」と思った人は、とっとと本屋に走るか、アマゾンのリンクを開いて、買うべきである。俺にアフィリエイトは入ったりしないけど。
と言うか、発売から1年も経って今更、勧められなくてもとっくに買ってるよ、という話かもしれません。すいません。
「そうなんですかー」と思った人は、まあ、ちゃんと、この辺のフタバスズキリュウの話も出てくるので、読んでみるといい。
「何言ってるかわからねぇ、日本語で話せ」という人には、ハードルが高いかもしれない。
まあ、本の内容については、HONZに1年前に3本もレビュー載ってるので、それを読んでテイストの合う合わないを見てみるといい。
さて、一応、このブログは仕事絡みの、まちづくりとかに関して、気に留めたことを目的としている訳で、恐竜が何の関係があるのか、という話である。
2000年前後くらい、アメリカのIT系のそこそこメジャーなCEOが(誰だか忘れた)、経営方針として、進化論を参照して
「最も強いものが生き残るのではない。最も賢いものが生き残るのではない。最も環境に適応できたものが生き残るのだ」
と発言して、当時の日本でも経営戦略系の雑誌とかネットとかで、よく見かけました。
ただ、自然界の淘汰でいうと、必ずしも意図的に環境に適応して生き残った、というよりも、適応できなかったものが絶滅し、偶然、生き残ったものには適応できる機能があった、ということかなと思っています。
この本でも、恐竜と鳥の関係を紐解くにあたって、かなりの部分を「羽毛」に割いているのですが、本来、飛ぶための道具ではなかった羽毛が、偶然、飛ぶのに役立ち、偶然、大空へと羽ばたくことができて鳥は哺乳類との生存戦争を離脱した、という。
もちろん、これから新しいことを起こそう、というときには、偶然にすがるのではなく、意図的に最適な解を求めていくことが必要なのだと思います。
ただ、問題を解く前に問題を定義するにあたって、今、目の前にある現実、過去からの積み重ねを理解するときに、それが必ずしも最適ではなく、過去からの偶然の産物であるかもしれないと疑うこと、あるいは偶然とはいえ長い時間をかけて蓄積されてきたものを変えるリスクを測ることは重要ではないか、と思うわけです。
それは機械や道具のような形のようなものであれ、制度や組織、あるいは文化といった目に見える形のないものであれ。
いや、今、Windows 8.1 PCへの移行作業を待ってる間に、積んでたこの本を読んで、読み終わって、ようやく新PCを使いながら、このインターフェースの分かりづらさは、何なんだとか思っているんですよ、はい。