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日々の仕事に必要な調べ物の結果や個人的見解を備忘録的に書いておくと他の人に役立つこともあるかも、くらいのノリで。対象範囲は人口構造、社会保障費、都市計画、行政運営、地方自治あたりになろうかと。

【雑文】別に、安定志向のヤツが公務員とか目指されても困る、つうか邪魔だし、という、、、

 今朝、佐々木俊尚さんがツイートで

 紹介してたブログを読みに行って、いや、最近の若い子の感覚は、よく分かんねーな、という。自分なんか、親が衝動的に会社辞めて毎年赤字垂れ流してる零細創業者社長っつう家庭で育って、しかも、2000年前後のITバブル、ベンチャーバブルの時代に理系の大学に通ってたから、学生のうちに創業できるとか普通にすげーじゃん、がんばんなよ、としか思わないオッサンなんですけどね。

 特にウチの大学の場合、トヨタよりホンダ、松下よりソニー、旧財閥系より無職、みたいな大学だったもんで、エリートコースに乗りたい願望がよく分からんけど、今の若い子も若い子なりに大変なんだなー、とか思った次第。

 

 まあ、ちょうど昨日、ニコニコ動画で、アメリカ大使館とクーリエ・ジャポンが「働き方」をテーマにした番組をやっていて、前半の堀江さんや後半の猪子さんの話とか聞いた後だったから、なおさら、エリートコースに乗るって何さ?っつう感じにも見えた。イケダハヤト師による中継書き起こしは、こちら

 

 とは言え、これだけなら、わざわざエントリ起こすほどでもない、「若い子も大変だねー」という話なんだけど、その後、佐々木さんのエントリで話が少し続いていて、

って、ところで、公務員の話を出されると、果たして今の時代に安定を志向して公務員になりたがる人なんて、いるんだろうか?って言う気がするんですけどね。

 いや、いるから、困るんだけどさ(笑)。

 

 あと、少なくとも、ウチみたいな地方都市だと、女の子でそれなりに仕事も頑張りたいし、でも、家庭もちゃんと築きたい、と思った場合は、会社の経営者になるか、経営者のダンナを見つけるか、公務員になる、くらいしか選択肢がなくて、民間企業への就職だと、どちらかを諦めざるを得ない、っていう現実はあると思う。

 

 ただ、昨日の番組の中で、猪子さんも言ってたとおり、今は多分、農業革命、産業革命に続く本当に大きい時代の変革期にいて、公務員になったところで、安定はしないと思うんだよね、別に。

 確かに、民主主義国家なんで、公務員は民間の動きに後からついていけばいいから(先導せず、追従すべきだから)、そんなに尖った感性は要らないと思うんだけど、それでも、時代の流れを邪魔しない程度の感性…というか、日々変わっていく時代が要求するスキルを持つことは必要なんで、あんま安定志向の人は向かないと思うんですよ。

 スキル習得できないなら、職場を変える必要がある。と言うよりも、本当の意味での公共セクターのあり方を考えるなら、習得できないヤツは職から追放するような社会になっても全然、おかしくないと思うので。

 

 なんか、もう個人的には、今、公務員も本当に年功序列型+終身雇用の弊害はあると思ってて、あるいは、誰が上に立とうと大きなビジョンを描けない時代なのに決定権者と実行部隊を分離している構造が悪いのかも知れませんけど、もう組織的にも人材的にも、地方の市役所なんか破綻しまくってる訳ですよ。

 

 地方の市役所で仕事しにくい本当の原因が上記の何なのか本当のところは、自分もよく分からないですけども、でも、たとえば、年功序列+終身雇用が原因なら、5~10年スパンくらいで任期制にしたらいいと思うんですよね。あるいは、市長選ごとに回転ドアでぐるぐる入れ替わってもいいとも思うんですよ。辞めた人たちの再就職先や、次に入ってくる人たちが待機する職場を効率よく(低コストで)循環するための仕組みに課題はあると思うんですけども。

 

 まあ、そう言う話になると、うちの業界の労働組合の人とかは、雇用が安定していることで、目先の利害に惑わされず、長期的な展望に立った政策実行ができるんだ、とか言うんですけどね。

 

 ねーよ。

 

 何か、今年の4月に初めて異動して庁内の調整とかする仕事もやるようになって改めて思うけど、所詮、3年くらいで自分の意向とは全く無関係に異動する(特に市役所の場合、何ら脈絡も関連性もなく広範な分野で)公務員が、10年先、20年先のことを考えて仕事をしてるなんて、一体、どれだけあるんですかね。

 

 いや、自分は、なるべく先を見据えた仕事をしたいと思ってますけど、それを上司から否定されたことはあっても、肯定されたり、あるいは「もっと長期的な視点に立て」と否定されたことはないですね。

 自分が長期的視野に立とうとするのは、大学時代の経験によるものです。理系、特に工学部の研究なんて、民間でもやれることばっかりなんですよ。と言うか、民間は給料貰ってそれなりに経験も実績もある研究員が、それなりに潤沢な開発費を突っ込んで研究してるのに、大学がやる意味があるのか、という話です。

 で、うちの大学の先生が言っていたのは、「民間企業はどうしても決算があり、四半期や単年度、長くても2~3年で結果を出す必要がある。逆に言えば、2~3年で結果が出る研究は、企業に任せればよい。私立とは言え、大学ならば、民間企業ではリスクが取れない、もう少し先を見た研究をすべきだ」と言うことです。

 自分は幸運にも大学時代にそういう考え方に触れることができ、そういう考え方が嫌いじゃない(あるいは、多少の適性がありそうと思った)ので、公務員という就職先を選びましたが、どれだけの公務員がそう思って仕事をしているかは分かりません。

 

 本当にねー、少なくともオフィス・オートメーションとインフォメーション・テクノロジー、そして戦後民主主義の成熟(戦後生まれが六〇歳を過ぎた)で、30年前の市役所に必要とされていたスキルと今、必要なスキルは全く違うし、これからまだしばらく大きく変わり続ける時代が続くときに、市役所が安定した職場であることが正解なのか、民主主義の国として、是非、多くの人に考えてほしいと思います。

 

※まあ、究極的には古い時代の公務員がやってた文字通りの「行政」の仕事は全部、機械に置換可能なのですよね。なので、理想的な民主主義が実現するなら公務員ナシで、機械に置換できない部分、つまりヒトが考えるべき仕事は、全部、有権者が考えたらいいんじゃないの、とは思うんですけど、現実的には、いくらかの業務を市民に代替して公務員に考えさせた方がスムーズなハズで…まあ、でも、それも公務員が考えなくても、民間のシンクタンクをちゃんと育成して委託すりゃいいっていう気もしますけどね。